[引き寄せと科学09]多世界解釈における異世界の保存場所

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多世界解釈の前提

まず量子論多世界解釈の前提。ある量子が「Aという場所にある世界」「Bにある世界」「Cにある世界」……と世界は無限に枝分かれをしている。私たちは意志のある観測により、その中から任意の世界を選んでいる。というものでした。

そんな世界がどこにあるのか? さらに言えば、そんな情報を貯めておくスペースがどこにあるんだ? という疑問が湧いてきます。それに対する答えが次元でした。

ひとつ上の次元という概念

たとえば宇宙規模で考えて、私たちの太陽系が0次元の点だと考えてみましょう。一方向だけに伸びる1次元の線、そして縦横に広がる2次元の面に、点の情報はどれだけ入れられると思いますか? 答えは無限です。0次元は質量を持たないため、いくら増やしても0のままです。

もう少しわかりやすく考えてみましょう。私たちが2次元だと思う平面の紙を、3次元の箱にどれだけ入れられるでしょうか。

これも同様です。2次元には高さの概念がないのですから、本当の2次元の存在ならば、3次元空間に無限に入れられることになります。紙に厚さがあれば、厚さは上下方向の概念(=高さ)ですから、それは厳密には3次元となりますよね。

そこで考えるのが私たちが認識する3次元の世界。現状の認識として高次元が確認されていないので、私たちが生きるのは厳密な3次元世界です。ならばこれを4次元という上の次元に保存しようと思えば、そこには無限の容量があるということになります。

加えて言うならば、現在物理学の最先端である「超弦理論」によれば、宇宙空間は10次元(プラス時間方向の1次元で11次元)と言われています。世界のすべての選択肢を保存するのに、なんら不自由はありません。

多世界があるのは、今現在の選択肢だけ

そんなわけで私たちの前には、量子論的に無限の選択肢が広がっています。しかし! ここで間違えやすいのは、バックトゥーザフューチャードラえもんの世界のような確定された未来が枝分かれして存在しているわけではないということ。

なぜならば、(枝分かれする多世界は観測することで確定するとして)観測という行為が実行できるのは現在だけだから。

人間は1日に平均6万回観測(≒思考)をします。ならば2190万回の観測を経た1年後の世界が今から全パターン準備されているのか? ならば現在において「観測をしない」という行為を選んだなら、その世界は減少するのか。

思い出してください。量子は観測により確定するのです。そして観測するのは今なのです。ならば世界を確定するという力は今という時間にだけ与えられているのです。

今、あなたは世界Aを選んだ。次の瞬間、また量子によって無数の選択肢が製造されます。次はBを選んだ。またその瞬間、さらなる選択肢が生まれる。その繰り返しにより、世界は構成されていきます。海の泡のように同時に無数に発生するのではなく、ピラミッドのように一つ一つ選択肢を積み重ねた結果があなたの人生なのです。

 

なんか引き寄せというよりも生活指導みたいになってきましたので、今回はこのへんで。スローペースで申し訳ありませんが、今しばらく「多世界解釈による引き寄せ」の話にお付き合いください。

 

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[引き寄せと科学08]多世界解釈による引き寄せの体験談

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近代科学は万能ではない

昨日は比較的納得しやすい現代科学で(無理やり)説明できる理論的な引き寄せの流れについて考えてみました。しかし勘の良い方ならお気づきと思いますが、ここには大きな欺瞞があります。それは、現代科学が万能である前提で話を進めていることです。

宇宙誕生から138億年、地球誕生から46億年。しかし人類の誕生からは500万年、近代科学など、誕生してわずか300年しか経っていません。

宇宙の歴史を1日に例え、ビッグバンが0時ちょうどだとすると、近代科学は誕生してからほんの0.3秒しか経っていないのです。

たったこれだけの歴史で宇宙の事象すべてを解明しようなど、驕りでしかありません。学校で習っていないから否定する。学会で発表されていないから否定する。その否定の根拠の薄弱さに、引き寄せ否定派の方々は気づいているのでしょうか。

というわけで前回は「引き寄せの原理を近代科学と矛盾なく説明するとこうなるんじゃない?」という話でしたが、今回はより柔軟な視点で考えてみます。それが量子論多世界解釈です。

世界線移動? の体験

突然の私事ですが、かつて僕は通勤のため、市ヶ谷駅東京メトロ南北線から都営新宿線に乗り換えていました。ご存知の方も多いでしょうが、乗り換えとはいえわりと距離があり、途中には動く歩道なども完備されています。距離は300mくらい? 所要時間は5分程度です。僕は3年ばかり、その道を毎日往復していました。

引き寄せの考え方に出会い、自分なりに実践して1年ほど経ったある日の朝、僕は毎日歩くその市ヶ谷駅の構内に、ふと違和感を覚えました。あれ? この壁こんな色だっけ? この道こんなに広かったっけ? ほんの一瞬だけ、うまく言葉にできないほどの違和感です。

「ジャメヴ(未視感)」という「デジャヴ(既視感)」と反対の現象にも似ていますが、そうではありません。その場所は知っている。けれどもどこか違和感がある。気づけば違和感は消え去り、目の前には見慣れた市ヶ谷駅が広がっていました。その日の夕方、数回会ったことがある親戚から「家を譲りたい」という連絡がきました。

ここでどれだけ言葉を重ねても、皆さんには納得してもらえないかもしれません。しかし僕ははっきりと確信しています。なぜなら体験したから。無限に広がる多世界から望むひとつを選んだ。多世界の世界線を移動した。エイブラハムの言葉でいえば「許容し、受け入れる」ということを実践した。否定派にどれだけ否定されても、僕はもう大丈夫です。自ら体験し、すでに知っているのですから。

なんだかスピリチュアルブログっぽくなってきましたね。何度でも繰り返しますが、皆さんにおいても、確信の力となるのは体験のみです。どうぞ日常に目を光らせ、意志による引き寄せの効果を探してみてくださいませ。

多世界から望む未来を選ぶ

回りくどい話をしてしまいましたが、思考の物質化のもうひとつのルートは、多世界からすでに実現した世界を選ぶということにありそうです。

以前ご説明した多世界解釈の話(参考:量子論の多世界解釈

不確定な量子は可能性の状態で重なりあって存在するという「コペンハーゲン解釈」に対して、量子の場所に対応するそれぞれの世界が並行して存在するというのが「多世界解釈」でした。そしてその際にもお伝えした通り、ミクロの世界にだけ通用する量子論を、マクロの世界にまで当てはめたのも、この「多世界解釈」です。

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以前ちまちま作成したわりに、あんまり意味のわからなかったこの図も、今ならば違って見えるかもしれません。

 

今回は実例のみとなってしまいましたが、次回は多世界解釈における引き寄せの原理と、効率的な引き寄せの方法について考えてみます。

 

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[引き寄せと科学07]思考が物質化するまでの経緯

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はじめに

本日はまず注意点をひとつ。引き寄せという形のないものを考える場合、世に溢れるあらゆる考え方やメソッドを試すのは良いことだと思います。いろいろ試してみて、ご自身がすんなりと受け入れられるものを採用すれば良いでしょう。

何度も繰り返すように引き寄せの本質は確信にありますから、ここで何かを否定することは、そのメソッドを信じ、実行している方の引き寄せを邪魔することに繋がりかねません。よって僕はこれまで他の何かを否定したことはなかったと思います。たぶん。

しかし、今回のテーマである「物質化」という点に関しては、どうやらそうもいかなそうです。文字通り目に見える物質の話ですから、しっかり根拠を示しつつ自らのスタンスを明確にすることが、読んでくださる皆さんの確信に繋がると思うのです。

そんなわけで本日の記事にはいくつか現存する引き寄せの考え方を否定する表現がございます。しかしもちろん、僕が絶対に正しいというわけではありません。だから「ああ、そんな考え方もあるのか」くらいの軽い気持ちで読んで頂ければ。

引き寄せは無からの創造ではない

というわけでディスります。

引き寄せの思考により願いが物質次元に具現化する、つまり思考が形になること。多くの引き寄せに関する考察では、ここに軽く量子論相対性理論が用いられています。つまり 

物体はすべてエネルギーである

エネルギーを構成する量子は人間が観測するまで不確定な状態である

強い確信を持って観測すればそれが形になる

という理論です。さらに多くの方はこの論から「もし本当に確信していたら目の前に札束を具現化することだって可能」「それができないのは確信が足りていないから」という展開もされています。つまり無(不定形のエネルギー)から物質を創造できるというわけです。

しかし本当にそうでしょうか?

波動方程式により、特定の量子の分布範囲は限定されます。

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 こうではなく 

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こういうイメージです。

量子はどこにでも自由に存在するのではなく、ある非常に狭いエリアのなかに可能性として存在しているのです。もしどこにでも自由に存在できるならば、筐体から飛び出してあっちこっちに行ってしまい半導体量子コンピュータが作動しません。人間の体だって固体として機能することはできず、宇宙に秩序はなくなることでしょう。

つまり、量子は観測するまで位置が確定しないけれど、存在できるのは非常に狭い範囲のどこか。そして人間の目から見ればどこにあっても変わらないということになります。

確信により札束を自由に具現化できるのであれば、その他の秩序が乱れる。引き寄せの法則は確かに強力な法則ではありますが、しかしそこに対抗する物理法則がなくなるわけではないのです。

考えてみてください。かつてアニメに影響されて日本中の子供たちが練習した「かめはめ波」。きっと心から信じて練習した子だって大勢いるでしょう。確信が現実を作るなら、一人くらいかめはめ波出ちゃってもおかしくないですよね。おそらくこの論はエイブラハムのいう「創造」という言葉が曲解されたためだと思われます。

だから量子論を引き合いに出しつつ「物質は波動・振動するエネルギーだから思考ひとつで具現化できまっせ」とドヤっているメソッドは考察が甘いです。もう見ないで良いです。と水を得た魚のようにイキイキと否定してみました。本当に今回だけだから!

思考が物質化するまでの流れ 

では、人間が引き寄せることができるのは似ている思考だけで、物質として受け取ることはできないのか? つまり引き寄せの法則に実効性はないのか? という疑問。もちろんそんなことはありません。ではその流れを考えてみましょう。

まず考えられるのが間接的な具現化です。つまりすでに物質として確定している対象を文字通り引き寄せるのです。たとえば連日ですがロレックスの腕時計を引き寄せる場合、あなたはどんな流れを予想するでしょうか? 

  • 道行くお年寄りを助けて御礼にもらう
  • たまたま通りかかった抽選で当選する
  • 購入するのにぴったりの臨時収入がある

 といったドラマチックな展開を想像するのではないでしょうか?

しかし引き寄せはただの現象ですから、そこにドラマ性の演出なんてありません。ただ結果だけをあなたに届けるのです。たとえば

 

ロレックスが金利なしローンキャンペーンをやっている(情報)→生活に余裕はないけれど60回払いならなんとかなりそう

 

というのも引き寄せです。あるいは「給料がちょっとだけアップした」「500円玉貯金がけっこう貯まった」「全然足りないけれど、少しだけ臨時収入があった」という事実から、「よし思い切って買ってみようか」とあなたの心に変化が起きたとすれば、それは引き寄せの効果なのです。

「給料アップも500円玉貯金も自分の努力の結果だ。引き寄せに関係ない」と思われるかもしれませんが、引き寄せの法則にとってそんなことは関係ありません。

「お前ロレックス欲しいんだろ? だったらこうしてみたら?」という最短ルートの提案をしてくるのです。

引き寄せの最短ルート

では最短ルートとは何なのか? それはあなたの毎日の生活から、最も変化の少ないルートです。引き寄せの根源は意志(確信)の力。その力がもっとも流れやすいのが、日々繰り返している日常の方向というわけです。なぜなら、あなたの思考のなかにある「後付けの価値観」は、変化することを最も怖れます(詳細は後日)。その後付けの価値観による障壁があるため、集合的無意識は最も労力の少ない道を提案してくるのです。

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それなら、確信という力をもっと増やし、そして後付けの価値観を取り去ればどうなるか。当然、予期しない方法でのゲットという道が開けます。

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ただしその場合であっても、集合的無意識が教えてくれるのはゲットまでの道筋だけです。集合的無意識は、「今すぐ宝くじ買えば当たるで!」「今日はこっちの道通ったら良いことあるで」「あの人と付き合うとがっぽり稼ぐチャンス」というゲットまでのさまざまな道筋をあなたの潜在意識に伝え、あなたの潜在意識はあなたに直感や感情(こっち行ってみようかな? 宝くじ当たりそう! この人と居ると気分が良い!…etc)という方法でその道筋を伝えます。

よってあなたは「買えるのは宝くじ当選だけだ!」とルートを限定してしまうより、「ロレックスごとき簡単に買える!」と確信しつつ、その方法については集合的無意識に丸投げしてしまえば良いのです。 

繰り返しになりますが引き寄せの法則は、無から物質を創造する魔法ではありません。あなたが願いを実現するのに最適なルートを、あなたの信念に沿った形で提案するシンプルな法則です。そこを取り違えてしまうと、引き寄せまでに必要以上の時間をくってしまうかもしれません。

というわけで今回はここまで。ご自身の見解と異なりお気に触った方がいましたら、こちらでお詫び申し上げます。

次回は引き寄せの物質化のもうひとつのルート。ややスピリチュアルな次元の話となりますので、以下の記事など事前にお目通し頂けますと幸いです。

attracted.hatenablog.jp

 

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[引き寄せと科学06]思考が思考を引き寄せる3つの原理

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外部から似た思考を引き寄せる

前回は無意識にまで落とし込んだ思考は、似ている思考を引き寄せるという話でした。

それはなぜなのか。ここまで読んで頂いている皆さんにはおわかりでしょうが、念のため復習します。

まず外部的な話。思考は脳内を流れる電気信号(≒電波)です。その電波が脳内だけではなく、脳の外部にまで流れていることは、思考の映像化(参考:外部に発信される脳波)などの実験からも明らかです。そして電波には波の大きさである周波数があります。アンテナの原理と同じように、その周波数が一致するものは互いにリンクします。つまり脳から発生した思考は、同じ周波数の思考と自動的にリンクするのです。

これはとくに違和感もなく理解できると思います。

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シンクロニシティで似た思考を引き寄せる 

次にシンクロニシティとしての思考の引き寄せについてはどうでしょう。

ある思考、たとえば「ロレックスの腕時計が欲しい」という思考が深層意識にまで落とし込まれたとします。

1日6万回という膨大な回数を繰り返す思考、そのほとんどが深層意識により実行されています。あなたは意識していなくても、無意識は考えています。

あなたは街を歩きます。普段なら見落としてしまうような道行くおっさんの腕時計。しかし無意識はあなたにメッセージを送ります。「それお前が欲しがってるロレックスやんけ?」。

信号で立ち止まります。無意識はあなたにメッセージを送ります。「あのROYALって看板、ロレックスのロゴと似とらんか?」。

あなたは本屋さんに入ります。棚に並ぶ無数の本の背表紙、あなたは目で文字を追うことができません。しかし無意識には見えています。「あ、ほら、ロレックスの本やで?」。

あなたの深層意識は、あなたよりもずっと広い視野、細やかな注意力を持っているのです。

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こうしてあなたの生活には、ロレックスに関する情報がどんどん集まってきます。一部はカラーバス効果(参考:シンクロニシティとカラーバス効果)、また一部は無意識からのメッセージ。これも「思考を引き寄せる」という現象の一側面です。

心の内側から似た思考を引き寄せる

そして最後が心の内面の話。

あなたは表層意識で、繰り返し思考します。またロレックスにしましょうか。周波数により思考の調和やシンクロニシティで、あなたにはロレックスに関する思考や情報が次々に集まってきます。さらに思考の拡大に応じるように、本やネットで自主的に、つまり表層意識でもロレックスに関する情報を集めます。

すると徐々に、深層意識、無意識にもロレックスの思考が浸透していきます。少しずつですが、確実に。

 

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さあ、深層意識のさらに深い部分にまでロレックス成分が浸透してきました。あれ? 深層意識の一番下って何かありませんでしたっけ?

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そうです。我らが集合的無意識です。

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人類の叡智である集合的無意識、ロレックスごとき朝飯前。今度はあなたの深層意識に対してさまざまな情報を返してくれます。「アメ横に安く売ってるよ」「お前の親戚のおっさが使ってないって言ってたよ」「駅のベンチに落ちてるよ」「100万円くらい? じゃ、さっくり稼ごうよ」「お金ならこう稼いでみたらどう?」

 

あなたの潜在意識は、集合的無意識の荒唐無稽なメッセージをあなたに伝えたいのですが、詳細な伝達手段はありません。だから夢を見せたり、感情に訴えたりとさまざまな方法であなたに伝えようとします。だからあなたは直感に従ってみるのが良いのです。

 

ここで注意しておきたいこと。すでに深層意識を塗りつぶして集合的無意識にまで届いているあなたの意識。ここでさらに思考を押し込むと、集合的無意識からの返事が受け取れません。むしろ「まだ手に入れてないの? あ、その手に入れてない状態、『欲しい』という状態が欲しいのね」となってしまい、引き寄せはうまくいきません。

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引き寄せで「まず強く願い、そして手放す」と言われるのは、このためです。

 

ではどれくらい願えば集合的無意識にまで届くのか、そして願うという思考がなぜ物質化するのか、という疑問ですが、今回も長くなってしまったため、次回以降に。

 

 

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【引き寄せと科学05】集合的無意識にリンクする方法

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表層意識と集合的無意識の関係

前回までのお話で「潜在意識(=無意識、深層意識)」と、「集合的無意識」の存在についておわかり頂けたかと思います。

ではなぜ「潜在意識」に働きかけることが引き寄せに繋がるのか。今回はそんなお話です。

ひとつずつ考えてみましょう。

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これがふだんの私たちです。1日に6万回繰り返されるという人間の思考。しかし6万回も意識して思考している人はいませんよね。つまり思考の大半は「潜在意識」の方で処理されているのです。

そしてもうひとつ大切な点。集合的無意識のある場所。これは宇宙の彼方ではなく、心の内側にあると仮定しましょう。私たちはお天道様やお星様にお願いをしたり、見果てぬ宇宙に思いを馳せたりと、こと願いに関しては上を向く傾向があります。

しかし現状、相対性理論が正しいとすると、宇宙の彼方に思考(という電磁波)を送る方法がありません。超自然的な、あるいは未知の科学であるという可能性もありますが、そうするとただのオカルトになってしまいます。よって、集合的無意識は内側の宇宙、インナースペースにあると考えておくのがスムーズです。だから願いごとは上ではなく、心の内側を向いてするべきです。

で、そんな集合的無意識ですが、私たちは表層意識から直接アクセスすることができません。日常的に集合的無意識からのメッセージを受け取っているという人は、たぶんいないことでしょう。おそらくバシャールやエイブラハムはこのメッセージだろうと思いますが。

というわけでここまでの結論。表層意識は深層意識にかろうじてアクセス可能、深層意識からは集合的無意識にアクセス可能、しかし表層意識から集合的無意識へのアクセスは不可能ということになります。

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集合的無意識からのメッセージ

そんなわけで、私たちが集合的無意識にメッセージを送るためには、無意識レベルの思考に着目する必要があります。このあたりが引き寄せで言われる「すでに願いが叶った気分になる」ということなのですが、方法論については日を改めて。今は「無意識のレベルでの思考でなければ、集合的無意識に届かない」ということを覚えておいてください。

さて、このたびめでたく、無意識から集合的無意識にメッセージが届きました。さあ、ここからが引き寄せです。なんでだ?

至極当然の疑問です。集合的無意識は人類共通の記憶ともいうべきものでしたから、たとえば種の保存や生存本能のような部分では最適解を持っていることも理解できます。でも楽してお金儲けたい! 新作のハンドバッグが欲しい! 気になるあの子と付き合いたい! なんていう私利私欲に塗れた願いも、この集合的無意識さんは平等に叶えてくれる(らしい)じゃないですか。なんでそんな都合の良いシステムがあるのでしょうか。

引き寄せの構造

はい、これが集合的無意識の肝でございます。集合的無意識というくらいですから、もちろん無意識です。そして先述の「後付けの価値観」もない、純度100%の無意識です。当然、後付けの価値観が判断するような善悪の区別はありません。私たちが望むかどうか。私たちの思考の波長と合っているかどうか。大切なのはそこだけです。

私たちの思考が無意識レベルまで刷り込まれ、集合的無意識に送られる。するとそのデータベースから似た波長の思考が引き出される。無意識の思考はますます強化される。強化された思考は、やがて意識レベルを越えて、物質レベルにまで顕れる(このへんは次回以降)。そして望みが叶う、という寸法です。

そんなわけで、今回は思考の流れについて考えてみました。次は、もう少し踏み込んで引き寄せの話について。

追伸

ちなみに先程、わざと私利私欲だなんて言ってみましたが、これは一度意識して頂きたかったから。皆さん、自分の望みが私利私欲だと思われますか?

いいじゃん、私利私欲。

誰に見せるでもない心の中。そこが自分本位であることは、至って正常。そこに感情などいろいろ加味されて行動という段階になったとき、誰かのためになるようならそれで良いのです。引き寄せや思考というぶっちぎりのセルフプレーのとき、私利私欲を理由にブレーキをかけること、それこそ後付けの価値観のしわざにほかなりません。

 

 

 

[引き寄せと科学04]無意識の存在証明と集合的無意識

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科学と引き寄せの前提条件

さて、今回は量子論的解釈について。

の前にお断りを。スタートラインからそうなのですが、僕は引き寄せの科学的根拠を断定するつもりはありません。

皆さん(と自分自身)の「確信」を加速することを目的とする当ブログ。「これは科学的にも証明されているのです!」と言い切るができればそれは良いことですが、引き寄せという目に見えない現象においてそれは困難です。

できることは科学の概略をわかりやすくご紹介しつつ、それが引き寄せの法則の解釈に繋がるんじゃないかというご提案をしてみるだけ。あるいは自身の体験を、科学との紐付けをしつつご紹介するだけ。

言い訳がましいようですが、何度も言うように確信は体験によってのみ生まれるのですから、その体験の元となる情報をさまざまな角度から紹介していくよという趣旨でございます。とりあえずそんな前提で進めてみましょう。

量子論で証明する無意識の領域

量子論の主流となるコペンハーゲン解釈によれば、観測前の量子は可能性の波、つまりぼんやりとした状態で複数箇所に同時に存在しているのでした。

しかし量子は極小であるため、その存在可能性の分布範囲はマクロの視点から見ると非常に狭いのです。つまりA地点であろうとB地点であろうと(マクロ的には)同じにみえるため、結果として量子の集合である物質や生物は常に定量的な形を保って見えるのです。

しかし問題の本質はそこではありません。量子という可能性の波であること、それが観測することで実在となること。では、常に実在していることを知っている私たちそれぞれの体は、誰によって観測されているのか。

たとえばコタツに入っていて下半身が見えなくても、僕はそこに自分の足があることを知っています。もちろん観測は目だけではありません。血が流れ、温度を感じ、触れる布団の柔らかさを知覚している。それももちろん観測です。でも意識はしていませんよね。コタツに入りながら「よし、足あるな」なんて常に考えていたら、ミカンも喉を通りません。無意識に観測し、無意識に知っている。

つまり僕の体を実在させている観測者とは、僕の無意識(=潜在意識)ということになります。

意識と集合的無意識の繋がり

先日の図で言いますと、常に見えないと思っていた潜在意識が

 

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実はしっかり僕のことを見てくれていたのです。そうでなければ常に実在していることの説明がつきませんから。良かった。届かぬ思いを伝えるだけの片思いではなかった。

 

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さらに言えば、潜在意識は集合的無意識と繋がっているのですから、つまり僕の人生は集合的無意識が常に見守っているということになります。

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こちらから同調することができ、あちら側から見守っている。つまり相互作用がある。ここでもう一度思い出して頂きたいのが量子物理学者エルヴィン・シュレーディンガーの言葉。

「一切の精神はひとつだというべきでしょう」

ここまでお読み頂ければ、この言葉の意味が以前より少し腑に落ちるのではないでしょうか。そして深層意識に同調することの重要性も、改めてわかって頂けるかと思います。

 

次回はそんな集合的無意識の正体について。

[引き寄せと科学03]集合的無意識との伝達手段

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潜在意識の存在証明

なぜ潜在意識と同調することで願望が引き寄せられるのか。その原理の部分を紐解いてみましょう。まず手始めに潜在意識の存在証明から。

アフリカを思い浮かべてください。

きっと広いサバンナや野生動物、過酷な天候などが浮かぶことだと思います。ではそこにある民族がいます。どんな民族ですか?

高くジャンプするマサイ族、青い衣装のトゥアレグ族、華やかな衣装のボゾ族、あるいは下唇にお皿を入れたムルシ族が浮かぶ人もいるでしょうか。どの民族が浮かんだとしても、それはあなたが今までに旅行、テレビ、雑誌、インターネット、噂話などで目や耳にしたことがあるからです。

行ったことがなければ、ダデス渓谷にあるホテルで毎夜タイコを叩いて暮らしているベルベル人が浮かぶ人はいないでしょう。人が意識的に引き出すことができるのは、表層意識の記憶だけなのです。

さて、今度は寝ている時の夢について考えてみましょう。

見たことも行ったことがない場所、一度も会った覚えのない人が夢に登場した経験はありませんか? しかし、夢だって無から創造されるわけではありません。アルファ・ケンタウリの衛星の地表は誰も見たことがなくても、それが岩石質の惑星であるという情報を知っていれば、火星や月を元に想像することができます。不思議であるのはなんの情報もなく、想像すらもできない、いや想像するというスタートに立つことすらない意識外の事象が、夢には登場しうる点です。

夢のなかで初めて登場する人物は、実はあなたがどこかで目にしたことがある人物です。満員電車に乗っているすべての人を覚えていられませんよね。一度目にして、すぐに忘れる。あるいは「覚える」という行為の対象にならない他人。しかし目から入った情報は、無意識の領域に保存されているのです。それが夢のなかで引き出され再映像化されるわけです。夢に(主観的には)未知である情報が登場すること。それが無意識の存在証明にほかなりません。

意識と集合的無意識とのネットワーク

さて、以上の内容から深層意識の存在はおわかり頂けたと思います。そして集合的無意識の存在は、言語や神話の共通性のあたりをご参照くださいませ。

attracted.hatenablog.jp

この集合的無意識というデータベースがあるという前提ですから、そこに情報のインプットは不可欠です。どこかから情報が送られるからこそ、集合知としての無意識が成立するのですから。しかし私たちは、日々せっせと集合的無意識にデータ送信などしておりません。つまり無意識です。このことから、集合的無意識と潜在意識がネットワークで繋がっていることがわかります。

相対性理論とビッグバンが説明する宇宙とのリンク 

では、いかなるネットワークで人間の心と集合的無意識が繋がっているのでしょう。ここで当初から長々と続けてきた科学の話となります。

特殊相対性理論によると、質量とエネルギーは等価であり、質量とはエネルギーの一形態でした。つまり私たち人間の存在はそれだけでエネルギーであると言い換えることができます。それどころか、海も木も風も動物も石も金属も地球も火星も太陽も隣の銀河もなにもかも、私たちの知る宇宙すべてがエネルギーなのです。

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考えてみてください。宇宙は無からビッグバンによって誕生しました。では宇宙で最初にできた素粒子は無から誕生したのでしょうか? 宇宙で最初にできた星は、無から突然誕生したのでしょうか? そんなはずはありませんね。無はいつまで経っても無です。宇宙最初の素粒子やその塊である星は、宇宙を満たしているエネルギーから変換されたのです。

さて、ここで138億年前に思いを馳せてみましょう。原初の宇宙は無限の質量を持つ、米粒よりも小さな物でした。あるとき特異点が生まれ、宇宙はそこから爆発的に拡大します。同時に無限の質量が宇宙に広がり、星々が生まれます。その星のなかで奇跡のような確率で化学反応が起きて、水が生まれ、有機物が生まれます。その有機物が時間を経て進化し、動物となります。

無限の質量を持っていた小さな小さな最初の宇宙。すべてはそこから生まれました。つまりエネルギーでもある宇宙の構成要素すべてが、元はひとつだったということになります。

量子論の終盤に登場した「量子もつれ」の話を思い出してください。無理やり2つに分けられた量子は、どんなに遠く離れていても片方の状況を瞬時にもう片方に伝達する性質がありました。ならば元はひとつだった宇宙すべての構成要素に、伝達する手段が残っているのも当然の帰結となります。

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これが宇宙と人間が繋がり、記憶や意思を伝達している方法の一側面なのです。たぶん。

ざっくりとではありますが、「なんで人間の意識が集合的無意識と交信できるんだ?」という疑問に対して、まずはこのような推論を提示させて頂きます。

 

次回も引き続き引き寄せの科学について。