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[外堀から埋める08]特殊相対性理論が証明する曖昧な世界

外堀から埋める

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高速で動くと、時間はゆっくり流れる

前回は、特殊相対性理論の前提についてお話しました。

まず定義されるのが、光が1秒間に30万km進むのではなく、光が30万km進む時間を1秒とすること。その帰結として、高速で動く物体の内部では時間の流れが遅くなるという不思議現象が起きてしまうのです。

 

↓高速で動く部屋の内部で観察

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↑光が天井の鏡に到達し戻ってくるまで30万km=1秒

 

↓高速で動く部屋を外部から観察

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↑光は移動する鏡を追いかけて斜めに進むため、移動距離は長くなる。天井に反射して戻ってくるまで45万km=1.5秒

速度は光の速さを越えることはできない

さて、この論を突き詰めていくと、ひとつの疑問にぶつかります。すなわち「部屋が光と同じ速度で動けば、光は永遠に天井の鏡に到達しない=時間が流れない」ということになってしまうのではないか。

この疑問には、特殊相対性理論の第2の定義が答えてくれます。それは「物体の運動は光速に達することはできない」という原理です。

 

宇宙空間は無重力かつ空気抵抗がありません。小さな推力でも、少しずつ加速していけば、スピードは際限なく上がっていくと考えられそうです。

たとえば2015年にNASAが発表した新航法「EMdrive」。これは密閉された空間内でマイクロウェーブを反射させ続けることで推進力を得るというもの。ジェット燃料を必要としないため、どこまでも速度は上がりそうです。

 

しかし、光の速度に達することはできません。なぜなら速度が上がると物体の重量は徐々に重くなり、光速だと重量は無限大になってしまうからです。ピンポン玉よりボーリングの玉の方が動かしにくいのと同様に、重い物ほど動かすためにエネルギーが必要です。その重量が無限大ということは、動かすことができないということをになります。

ではなぜ光(を構成する光子)は光速なのか。それは光には質量がないからです。ならば光を構成するのは「粒」ではなく「波」なのか、という問題はかつて繰り返し議論され、現在では答えが出ております。光は「量子」です。つまり波でもあり、粒でもあるのです。このあたりから、「相対性理論」と「量子論」が密接に関わってきますね。

かなり複雑な話となるため、この話はいったん置いておきましょう。光速に近づくと物体は重くなるという点だけを覚えておいてください。

高速で動くと、長さが縮む!

さて、光速に近づくと時間が遅くなり、かつ重量が重くなるという理論は、すんなり納得といかないまでも、なんとなく理解できる話だと思います。しかし、特殊相対性理論には、もうひとつ、にわかには信じられない理論があります。それは、光速に近い速度で動く物体は縮むというものです。先程までの理論を思い出しつつ、次の状況について考えてみましょう。

 

秒速15万kmで走る電車が、長さ30万kmのトンネルに差し掛かりました。ところが乗車していたテロリストが、トンネルに入ると同時に爆弾を作動させました! 2秒以内に太陽光を受けないと爆発してしまう爆弾です。

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先述の話によると、外からこの電車を見ている人にとっては、電車のなかの時間の進みは相対的に遅くなっているのでした。つまり2秒経って電車がトンネルから出てきても、電車のなかでは1.8秒ほどしか経っていません。つまり爆弾は爆発しません。

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しかし、電車のなかの人にとってはどうでしょう?

電車のなかの人、そして爆弾にとっては時間の進みは普通通り。2秒はきっかり2秒です。そして電車は秒速15万km、トンネルは長さ30万km。2秒後には爆弾が爆発してしまいます。ならば外から見ている人にとっては大丈夫で、なかにいる人にとっては爆発しているというカオスな世界になってしまうのでしょうか?

しかしそうはなりません。特殊相対性理論の3つめの定義により「高速で動いている物体は縮む」のです。縮んで見えるのではありません。実際に縮むのです。

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ちなみにこの際、実際に動いているのは電車ですが、電車から見ると相対的にトンネルが動いているため、トンネルが縮むのです。

 

さて、このように相対性理論は、光の速度を基準に考えると、時間、重さ、長さはあいまいなものであるということを証明しました。それはつまり、あなたが見ている世界と私が見ている世界が同じではない、ということを意味するのです。

少しずつ、引き寄せの真理に近づいてきています。