はじめに
本日はまず注意点をひとつ。引き寄せという形のないものを考える場合、世に溢れるあらゆる考え方やメソッドを試すのは良いことだと思います。いろいろ試してみて、ご自身がすんなりと受け入れられるものを採用すれば良いでしょう。
何度も繰り返すように引き寄せの本質は確信にありますから、ここで何かを否定することは、そのメソッドを信じ、実行している方の引き寄せを邪魔することに繋がりかねません。よって僕はこれまで他の何かを否定したことはなかったと思います。たぶん。
しかし、今回のテーマである「物質化」という点に関しては、どうやらそうもいかなそうです。文字通り目に見える物質の話ですから、しっかり根拠を示しつつ自らのスタンスを明確にすることが、読んでくださる皆さんの確信に繋がると思うのです。
そんなわけで本日の記事にはいくつか現存する引き寄せの考え方を否定する表現がございます。しかしもちろん、僕が絶対に正しいというわけではありません。だから「ああ、そんな考え方もあるのか」くらいの軽い気持ちで読んで頂ければ。
引き寄せは無からの創造ではない
というわけでディスります。
引き寄せの思考により願いが物質次元に具現化する、つまり思考が形になること。多くの引き寄せに関する考察では、ここに軽く量子論と相対性理論が用いられています。つまり
物体はすべてエネルギーである
↓
エネルギーを構成する量子は人間が観測するまで不確定な状態である
↓
強い確信を持って観測すればそれが形になる
という理論です。さらに多くの方はこの論から「もし本当に確信していたら目の前に札束を具現化することだって可能」「それができないのは確信が足りていないから」という展開もされています。つまり無(不定形のエネルギー)から物質を創造できるというわけです。
しかし本当にそうでしょうか?
波動方程式により、特定の量子の分布範囲は限定されます。
こうではなく
こういうイメージです。
量子はどこにでも自由に存在するのではなく、ある非常に狭いエリアのなかに可能性として存在しているのです。もしどこにでも自由に存在できるならば、筐体から飛び出してあっちこっちに行ってしまい半導体や量子コンピュータが作動しません。人間の体だって固体として機能することはできず、宇宙に秩序はなくなることでしょう。
つまり、量子は観測するまで位置が確定しないけれど、存在できるのは非常に狭い範囲のどこか。そして人間の目から見ればどこにあっても変わらないということになります。
確信により札束を自由に具現化できるのであれば、その他の秩序が乱れる。引き寄せの法則は確かに強力な法則ではありますが、しかしそこに対抗する物理法則がなくなるわけではないのです。
考えてみてください。かつてアニメに影響されて日本中の子供たちが練習した「かめはめ波」。きっと心から信じて練習した子だって大勢いるでしょう。確信が現実を作るなら、一人くらいかめはめ波出ちゃってもおかしくないですよね。おそらくこの論はエイブラハムのいう「創造」という言葉が曲解されたためだと思われます。
だから量子論を引き合いに出しつつ「物質は波動・振動するエネルギーだから思考ひとつで具現化できまっせ」とドヤっているメソッドは考察が甘いです。もう見ないで良いです。と水を得た魚のようにイキイキと否定してみました。本当に今回だけだから!
思考が物質化するまでの流れ
では、人間が引き寄せることができるのは似ている思考だけで、物質として受け取ることはできないのか? つまり引き寄せの法則に実効性はないのか? という疑問。もちろんそんなことはありません。ではその流れを考えてみましょう。
まず考えられるのが間接的な具現化です。つまりすでに物質として確定している対象を文字通り引き寄せるのです。たとえば連日ですがロレックスの腕時計を引き寄せる場合、あなたはどんな流れを予想するでしょうか?
- 道行くお年寄りを助けて御礼にもらう
- たまたま通りかかった抽選で当選する
- 購入するのにぴったりの臨時収入がある
といったドラマチックな展開を想像するのではないでしょうか?
しかし引き寄せはただの現象ですから、そこにドラマ性の演出なんてありません。ただ結果だけをあなたに届けるのです。たとえば
ロレックスが金利なしローンキャンペーンをやっている(情報)→生活に余裕はないけれど60回払いならなんとかなりそう
というのも引き寄せです。あるいは「給料がちょっとだけアップした」「500円玉貯金がけっこう貯まった」「全然足りないけれど、少しだけ臨時収入があった」という事実から、「よし思い切って買ってみようか」とあなたの心に変化が起きたとすれば、それは引き寄せの効果なのです。
「給料アップも500円玉貯金も自分の努力の結果だ。引き寄せに関係ない」と思われるかもしれませんが、引き寄せの法則にとってそんなことは関係ありません。
「お前ロレックス欲しいんだろ? だったらこうしてみたら?」という最短ルートの提案をしてくるのです。
引き寄せの最短ルート
では最短ルートとは何なのか? それはあなたの毎日の生活から、最も変化の少ないルートです。引き寄せの根源は意志(確信)の力。その力がもっとも流れやすいのが、日々繰り返している日常の方向というわけです。なぜなら、あなたの思考のなかにある「後付けの価値観」は、変化することを最も怖れます(詳細は後日)。その後付けの価値観による障壁があるため、集合的無意識は最も労力の少ない道を提案してくるのです。
それなら、確信という力をもっと増やし、そして後付けの価値観を取り去ればどうなるか。当然、予期しない方法でのゲットという道が開けます。
ただしその場合であっても、集合的無意識が教えてくれるのはゲットまでの道筋だけです。集合的無意識は、「今すぐ宝くじ買えば当たるで!」「今日はこっちの道通ったら良いことあるで」「あの人と付き合うとがっぽり稼ぐチャンス」というゲットまでのさまざまな道筋をあなたの潜在意識に伝え、あなたの潜在意識はあなたに直感や感情(こっち行ってみようかな? 宝くじ当たりそう! この人と居ると気分が良い!…etc)という方法でその道筋を伝えます。
よってあなたは「買えるのは宝くじ当選だけだ!」とルートを限定してしまうより、「ロレックスごとき簡単に買える!」と確信しつつ、その方法については集合的無意識に丸投げしてしまえば良いのです。
繰り返しになりますが引き寄せの法則は、無から物質を創造する魔法ではありません。あなたが願いを実現するのに最適なルートを、あなたの信念に沿った形で提案するシンプルな法則です。そこを取り違えてしまうと、引き寄せまでに必要以上の時間をくってしまうかもしれません。
というわけで今回はここまで。ご自身の見解と異なりお気に触った方がいましたら、こちらでお詫び申し上げます。
次回は引き寄せの物質化のもうひとつのルート。ややスピリチュアルな次元の話となりますので、以下の記事など事前にお目通し頂けますと幸いです。