外側と内側、2つの宇宙
半径465億光年。それが人間が観測可能な宇宙です。端に行くことはできません。しかし思いを馳せることはできます。宇宙の端はどんなところだろう? 外側はどうなっているのだろう? そこにあるのは無限の可能性です。
次に視点を反対にして、心のなかを見てみます。半径465億光年の宇宙を思い描くことができるのですから、少なくともそれ以上のサイズがあるわけです。端には手が届きません。しかし思いを馳せることはできます。心の隅、記憶の奥、未来への希望。果てない思考に関しては、こちらも無限の可能性があります。
宇宙と心。どちらが外側で、どちらが内側なのでしょう。どちらも無限の広がりを持ち、どちらも無限の可能性を持つ。しかし手は届かない。
宇宙の一要素である物質になら手が触れられる、と思うかもしれません。しかし触れていると判断するのは人間の脳です。なら触れているのは外側なのか、内側なのか。
体という膜、あるいは単なる知覚器官を通して、あなたが感じている宇宙。ぐるりと裏返してみても、外と内の区別なんてないのではないか。宇宙は心であり、心は宇宙である。
これがインド哲学ヴェーダーンタに見られる、宇宙と自己が本質的に同一であるとする思想です。量子力学を確立した天才物理学者エルヴィン・シュレーディンガーは生涯この思想に傾倒し、晩年の著作『精神と物質』で次のように語っています。
「両者の矛盾は西洋科学の構造に東洋の同一化の教理を同化させることによって解き明かされるだろう。精神は、まさにその特性からして単一のものなのであります。一切の精神は一つだと言うべきでしょう」
さあ、準備は整いました。
急がば回る引き寄せの法則。急いでんのにちょっと回りすぎじゃないか、という気もしつつ、ここまでご紹介した知識を元に、いよいよ引き寄せの法則について考えてみましょう。