[外堀から埋める16]外部に発信される脳波

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脳波の可視化に成功した現代科学

ユングが提唱した人類に共通する記憶や意志である「集合的無意識」。一部はカラーバス効果で説明ができますが、どうにもそれだけでは足りない部分がある。なぜこんな偶然が起きるのか。その謎が少しずつ解け始めています。

1999年、岡山理科大学から「脳波の可視化」の研究報告がなされました。これは頭に貼り付けた電極で脳波を読み取り、感情の変化をサーチ。平衡状態のモデル表情に感情に合わせた変化をつけるというもの。外部から、被験者の感情が視覚的を読み取るという研究です。

2008年12月11日の科学雑誌「ニューロン」には、脳からの信号をそのまま映像化する技術の論文が掲載されました。国際電気通信基礎技術研究所(ATR)による研究で、端的にいえば「頭で思い浮かべた映像が、モニターに出力される」というもの。この実験の成功により、寝ているときの夢の映像化も現実味を帯びてきました。

さらに大切な点は、どちらの実験も開頭して脳に電極を刺したわけではなく、外部に電極を貼り付けただけであること。つまり脳から頭蓋骨を越えて外部へ、詳細な情報が伝達されているのです。

非接触の脳波測定が意味すること

非接触で脳波の詳細情報を読み取れることはつまり、たとえ微弱であろうとも、私たちの意識が外部に発信されていることを意味します。もちろん、従来から脳波の状態測定は可能でした。

しかし、それが単なる波長の読み取りではなく、意味のある思考の読み取りとなると話は別です。これはユングの提唱した集合的無意識の伝達手段、あるいはシンクロニシティの伝達媒体の候補となり得るのですから。

そして思い出して頂きたいことがもうひとつ。

宇宙には、138億年前のビッグバンで生まれた光(後に波長が伸びて電波)が、まるでメッセージのように漂い、いまも常に地球に降り注いでいるのでした。それはつまり電磁波は空間、時間を越えて伝わるという証明。

私たちの脳(あるいは心)から発信された電磁波が時間と空間を越えて、誰かに伝わる。どこかに蓄積される。そんなこともまた、不可能な話ではないのです。

テレビが映る理由と、感情が移る理由

テレビの電源をつけると、画面に映像が映ります。なぜでしょうか? 

それは電波を受信しているから。

では電波を受信とはどういうことでしょう?

そこには「共振現象」という作用があります。

水面の端で波を立てると、その波は(重力の影響がない場合)同じ高さで水面に広がります。止まった水が、動く水の波に合わせて同じように動くのです。音叉の実験も有名ですね。AとBの2つの音叉を立て、Aを鳴らすと振動が空気を伝わってBも鳴り始める現象です。ブランコの揺れから共振回路の原理まで、日常には共振が利用される場面は多々あります。電波塔から発信された映像が乗った電波を受け、アンテナのなかの波が同じ振動数になるから、テレビは映像を映すのです。

では、いつも明るくニコニコしている人と会うと、明るい気分になるのはどうでしょう?

それはまた別の話だ、と思う人も多いでしょう。なぜ別物なのですか?

テレビが映るのは電波が共振しているから。では感情が移るがそれと違う原理だとなぜ思うのでしょう?

脳からは常に感情や思考の電波が発信されています。脳神経が電気信号であるならば、脳は受信する装置でもあります。異なる波長の波を受けると、脳波は共振を起こします。つまり明るい人と会って明るい気分になるのも、沈んだ人と一緒に居て浮かない気持ちになるのも、感情が共振しているからなのです。

外からの刺激で、人間の内面が変化する。

内面からの信号で、外部世界が変化する。

これは科学的になんの齟齬もない事実のようです。

 

さあ、次回からはいよいよ引き寄せの法則の話です。