[引き寄せの方法論03]引き寄せ実感の最短ルート

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意識と無意識とユングの見た夢

後付けの価値観を全部捨て去ってしまえば、その内側に本当の自身の意志がある。前回はそんなお話でした。

もちろん、後付けの価値観を捨て去ってしまわなくても、内側にあなたの本質があることは変わりません。少し見えにくいだけです。そして「確信」の元となる体験もまた、後付けの価値観になってしまいます。つまり体験を、本質の部分にまで落とし込んで理解すること。その「確信」が引き寄せを加速するために効率の良い方法なのです。

そこで今回は本質の部分の感じ方、動かし方を考えてみましょう。

――私は深い霧のなかを、手に灯火を持って歩いていました。そのときふと、後ろから真っ黒で巨大な入道が追いかけてくることに気づきました。その入道は、逃げても逃げても、どこまでも追いかけてきます。私は逃げながらも、なぜか手のなかの灯火は決して絶やしてはならないという思いをいっそう強めたのです――

これは学生時代のカール・ユングが見たという夢です。もちろん追いかけてくる入道は、灯火の光で背後の霧に映し出された影です。さらに言えば、手のなかに大切に持っている灯火が表層意識(後付けの価値観による判断)であり、その巨大な影が深層心理ということになるでしょう。事実、ユングはこの夢をきっかけに心理学の世界を追求し、深層心理や集合的無意識の提唱に至ります。

さて、ユングの夢も示唆する通り、意識と無意識は密接に繋がっています。そして(ユングによれば)無意識の方は、さらに集合的無意識にも繋がっています。つまり間に無意識を挟みますが、意識は集合的無意識と繋がっているということになります。

脳と宇宙の類似性

さて、集合的無意識の話に踏み込む前に、下の画像を見てください。

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左はネズミの大脳、右は宇宙の画像です。言うまでもなく、そっくりです。そして脳を構成する原子の構造が、恒星と惑星の構造に酷似していることは以前に書いた通り。空間的制限がないことも宇宙と心の共通点であるということも、以前お話ししました。つまり内側と外側、心と宇宙、それが根源的に同一であるという論が、にわかに真実味を帯びてきているのです。

無意識との乖離が不快の原因

まずここでは内側の心であるか、外側の宇宙であるかは別にして、私たちの表面的な意識が、集合的無意識に繋がっていることを前提としてみます。

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集合的無意識は人類共通の知識でした。無数の人々の経験が、クラウドで保存されている場所。そこに想像を越えた叡智があることは間違いありません。

さて、あるときあなたの目の前に(後付けの価値観の判断による)不快な事態が発生しました。集合的無意識と繋がっている深層心理は、その不快の対極にある「快」の方へといち早く移動します。不快の反対は快感。非常にシンプルです。

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しかし、表層意識のあなたは、後付けの価値観の影響により、その不快に近づいてしまいます。物理的に近づくのではありません。「なんて不快なんだ!」「なんで俺がこんな目に合うんだ!」「どうしてこんな不快が生まれたんだ!」と、不快の原因に焦点を当て続け、執着してしまうのです。

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ここで深層心理と表面的意識の間に差が生まれてしまいました。これが不安や恐怖、悲しみといったマイナスの感情の原因です。

引き寄せを実感する最短ルート

今度はお金の問題を例にとってみましょう。

あなたは借金を抱えてしまいました。人類の叡智である集合的無意識借金が大した問題でないことを知っています。だから繋がっているあたなの深層心理に、「豊かさはすぐ隣にあるよ。移動してごらんよ」と教えます。あなたの深層心理は導きに応じて、豊かさの領域に移動します。

しかし、表面にいるあなたは「今月は借金を返せるだろうか?」「なんでこんなにお金がないんだろう」「生活が苦しい」「お金が欲しい!」と、借金やお金の不足にばかり執着してしまいます。実はすぐ隣に、豊かさがあるにも関わらず。

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もうお気づきですね。これが引き寄せの原理です。さまざまな指南本で「すでに叶った心の状態になりなさい」と言われています。しかし、金持ちになったこともないのに、金持ちの気分なんてわからない。だからとりあえず欲しいものを買った気分になってみる。

そうではありません。あなたが不足を感じた瞬間、すでに集合的無意識から解決策は提示されています。あなたの内側の宇宙はそれに応じて移動しています。あと必要なことは、あなたが内面の位置に気づき、同調するだけ。それだけで、願い(つまり不足や不快の対局にあること)は実現するのです。

 

今回はややスピリチュアルな話に終始しました。次回は潜在意識との同調の補足を少々。それから原理について、少しずつ掘り下げてみます。