はじめに
前回は「後付けの価値観(≒エゴ)」とは何か、そして何故そんなものが存在するのかについてお話しました。
簡単にいうと「“生存する”という生物の究極の目的のために人生をかけて収集した前例のデータ」ということになるでしょうか。
これ自体は悪いものではなく、トラブルを減らして生きるために必要なデータであるというのも前述の通り。しかし変化を望むときに限っては、この後付けの価値観は邪魔になり得ます。当然、引き寄せの実践によって何かを求めるときにも、この後付けの価値観が最大の障壁となります。
それはなぜでしょうか?
思考の流れる方向
川の流れを思い浮かべてください。
上流から流れる水は、好き勝手な方向に行ったりはしません。川の溝に沿って、つまり前例の通りに進みます。しかし時折、増量した水により決壊することもあります。すると私たちは、二度と決壊しないように堤防を築きます。もし再び決壊したら、さらに高い堤防を築きます。
思考の流れも同じです。とくに意識しなければ前例の通り、誰かが示した道に沿って思考は進みます。時折、感情の奔流が溢れて、意識が新たな場所に向かうこともあります。しかしそれも一時的なこと。私たちは決壊した堤防をペタペタと埋めて、そこにさらに高い「常識」という堤防を築いて、なにもなかったかのように、昨日と同じ思考を繰り返すのです。
その狙いはシンプル。昨日は生きて終わったから、今日も昨日と同じことをすれば生き延びる確率は上がる。つまり人間は本能的に、挑戦よりも安定を求めるのです。
なぜ後付けの価値観が引き寄せを妨害するのか
これも極めてシンプルなロジックです。後付けの価値観により固定された川の堤防、これは確定した位置ですね。そこに変化を加えるためにはエネルギーが必要です。エネルギーとは力(≒加速度)ですから、F=maで位置エネルギーを二階微分する必要があります。これは止まったままなら必要ないエネルギーです。つまり、面倒なんですね。
本当は可能性は無限にあります。買った覚えのない宝くじが当たる可能性だって、5秒後にアメリカ大統領から電話がかかってくる可能性だって、あなたが来年のアカデミー主演女優賞にノミネートされている可能性だって、すべて可能性として存在しているのです。
しかしそれらの可能性をすべて認めてしまうと、後付けの価値観の存在価値、つまり安定こそが最高だ! という主張が揺らいでしまうのです。
だから後付けの価値観は、本当は存在する可能性に対して「そんなのあり得ない」という答えを突きつけます。いろいろなデータや前例を引き合いに出しならが、いかに無理であるかを、必死であなたに伝えます。
さて、引き寄せの本質は「確信」でした。心から信じること。その邪魔をするのは「そんなの無理だよ」という後付けの価値観です。
参考
しかし忘れてはいけません。
あなたが望んでいるのに、それを邪魔する後付けの価値観。しかしその理由は、あなたの生存を強く願っているから。あなた自身のためを思ってのことなのです。
でもイラネ。
というわけで、次回からは後付けの価値観の外し方について考えてみます。
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