[引き寄せの方法論04]潜在意識との調和について

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潜在意識との調和はオートマチック

さて、昨日は深層心理、スピった言い方をするなら「内なる自分」と調和することが引き寄せの最短ルートですという話でした。なぜ? の話に行く前に、補足を少々。

潜在意識はその名の通り自覚することができません。ではどのように同調するのか。実はとても簡単なのです。

もともと意識と潜在意識は繋がっているのですから、放っておけば勝手に同調してくれるのです。それを邪魔しているのが、後付けの価値観です。

先日の借金を例にするなら、潜在意識はとっくに豊かさの方に行っているのに、表層意識はそこに同調しない。それは「借金を返すのは大変」「お金を稼ぐには苦労がつきもの」「自分は貧乏」「お金は仕事の対価」という後付けの価値観でがんじがらめにされているから。

しかし前述の通り、後付けの価値観は簡単に捨て去ることはできません。その必要もありません。必要なのはその判断が「後付けの価値観のしわざだ」と気づくことだけ。それにより、消去法のように本来潜在意識と同調するはずだったあなた本来の意識が見えてくるのです。

本能の快感に焦点を当てる

さらに潜在意識と調和しやすくなる方法論をひとつ。後付けの価値観に左右されない! というのが潜在意識との同調の近道でした。そこで後付けで価値観が生まれる前からあなたが持っている感覚を重視してみるのです。

たとえば好物を食べておいしいと思うこと。この「おいしい」の部分は、後付で教えられたことではなく、あなた自身の感情です。あるいはセックスが気持ちいいこと。風景や音楽に癒やされること。

その情動の部分をいつもより少しだけ深く感じ取ることが、潜在意識との同調に繋がります。

嗅覚は最強の意識変革ツール 

そしてそれらを越えてさらなる効果が期待できるのが、匂いです。ある匂いを嗅いで、突然昔の記憶が蘇ったこと、ありませんか? たとえばある香水の匂い。

「あ、香水の匂い」

 ↓

「これは昔つきあってた人がつけていた◯◯だ」

 ↓

「そういえば一緒に旅行に行ったときもこの香水をつけていたな」

 ↓

「あれは確か石垣島だったな」

というステップを一切踏まず、「香水」→「石垣島の海」という記憶想起が瞬間的に起こるのです。 

これは「プルースト効果」と呼ばれる現象で、嗅覚だけが大脳新皮質を経由せず、海馬や扁桃体といった感情や本能を司る部分と直接繋がっていることから起こります。つまり嗅覚は脳の深くとダイレクトに繋がるため後付けの価値観が入り込む余地が少ないのです。 

経済的な成功を望むなら毎日お金の匂いを嗅ぐのも良いでしょうし、復縁を望むなら好きな人がつけていた香水を嗅ぐのも効果的です。潜在意識と同調する手段として、ぜひとも試してみてください。

お金の匂いを嗅いでるところを他人に見られると、得るもの以上を失う可能性もありますが。

今回はここまで。次回からは引き寄せの原理の検証に入ります(たぶん)。

[引き寄せの方法論03]引き寄せ実感の最短ルート

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意識と無意識とユングの見た夢

後付けの価値観を全部捨て去ってしまえば、その内側に本当の自身の意志がある。前回はそんなお話でした。

もちろん、後付けの価値観を捨て去ってしまわなくても、内側にあなたの本質があることは変わりません。少し見えにくいだけです。そして「確信」の元となる体験もまた、後付けの価値観になってしまいます。つまり体験を、本質の部分にまで落とし込んで理解すること。その「確信」が引き寄せを加速するために効率の良い方法なのです。

そこで今回は本質の部分の感じ方、動かし方を考えてみましょう。

――私は深い霧のなかを、手に灯火を持って歩いていました。そのときふと、後ろから真っ黒で巨大な入道が追いかけてくることに気づきました。その入道は、逃げても逃げても、どこまでも追いかけてきます。私は逃げながらも、なぜか手のなかの灯火は決して絶やしてはならないという思いをいっそう強めたのです――

これは学生時代のカール・ユングが見たという夢です。もちろん追いかけてくる入道は、灯火の光で背後の霧に映し出された影です。さらに言えば、手のなかに大切に持っている灯火が表層意識(後付けの価値観による判断)であり、その巨大な影が深層心理ということになるでしょう。事実、ユングはこの夢をきっかけに心理学の世界を追求し、深層心理や集合的無意識の提唱に至ります。

さて、ユングの夢も示唆する通り、意識と無意識は密接に繋がっています。そして(ユングによれば)無意識の方は、さらに集合的無意識にも繋がっています。つまり間に無意識を挟みますが、意識は集合的無意識と繋がっているということになります。

脳と宇宙の類似性

さて、集合的無意識の話に踏み込む前に、下の画像を見てください。

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左はネズミの大脳、右は宇宙の画像です。言うまでもなく、そっくりです。そして脳を構成する原子の構造が、恒星と惑星の構造に酷似していることは以前に書いた通り。空間的制限がないことも宇宙と心の共通点であるということも、以前お話ししました。つまり内側と外側、心と宇宙、それが根源的に同一であるという論が、にわかに真実味を帯びてきているのです。

無意識との乖離が不快の原因

まずここでは内側の心であるか、外側の宇宙であるかは別にして、私たちの表面的な意識が、集合的無意識に繋がっていることを前提としてみます。

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集合的無意識は人類共通の知識でした。無数の人々の経験が、クラウドで保存されている場所。そこに想像を越えた叡智があることは間違いありません。

さて、あるときあなたの目の前に(後付けの価値観の判断による)不快な事態が発生しました。集合的無意識と繋がっている深層心理は、その不快の対極にある「快」の方へといち早く移動します。不快の反対は快感。非常にシンプルです。

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しかし、表層意識のあなたは、後付けの価値観の影響により、その不快に近づいてしまいます。物理的に近づくのではありません。「なんて不快なんだ!」「なんで俺がこんな目に合うんだ!」「どうしてこんな不快が生まれたんだ!」と、不快の原因に焦点を当て続け、執着してしまうのです。

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ここで深層心理と表面的意識の間に差が生まれてしまいました。これが不安や恐怖、悲しみといったマイナスの感情の原因です。

引き寄せを実感する最短ルート

今度はお金の問題を例にとってみましょう。

あなたは借金を抱えてしまいました。人類の叡智である集合的無意識借金が大した問題でないことを知っています。だから繋がっているあたなの深層心理に、「豊かさはすぐ隣にあるよ。移動してごらんよ」と教えます。あなたの深層心理は導きに応じて、豊かさの領域に移動します。

しかし、表面にいるあなたは「今月は借金を返せるだろうか?」「なんでこんなにお金がないんだろう」「生活が苦しい」「お金が欲しい!」と、借金やお金の不足にばかり執着してしまいます。実はすぐ隣に、豊かさがあるにも関わらず。

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もうお気づきですね。これが引き寄せの原理です。さまざまな指南本で「すでに叶った心の状態になりなさい」と言われています。しかし、金持ちになったこともないのに、金持ちの気分なんてわからない。だからとりあえず欲しいものを買った気分になってみる。

そうではありません。あなたが不足を感じた瞬間、すでに集合的無意識から解決策は提示されています。あなたの内側の宇宙はそれに応じて移動しています。あと必要なことは、あなたが内面の位置に気づき、同調するだけ。それだけで、願い(つまり不足や不快の対局にあること)は実現するのです。

 

今回はややスピリチュアルな話に終始しました。次回は潜在意識との同調の補足を少々。それから原理について、少しずつ掘り下げてみます。

 

[引き寄せの方法論03]後付けの価値観による錯視

目で見た情報と脳の理解

本日話題になっているとある画像が、前回の記事の象徴的な例になりそうでしたので通常更新の前に補足的にご紹介してみます。

まずは下の画像を御覧ください。

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水色の中に、グレーの丸があります。水色は「#B1FEFF」、グレーは「#9A9B9C」という色。紛れもない水色とグレーです。では次に、こちらを御覧ください。

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トマトですね。赤いですね。

何度見ても赤にしか見えない。実際、画像をいじっている僕にも赤く見えています。しかしすでにお察しの通り、上記2つの画像は(ほぼ)同じ色です。

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これは色の恒常性と呼ばれる現象のようです。「トマトは赤い」という前提知識があるから、どのようなホワイトバランスの元でも赤く認識する。もちろん「トマトは赤い」というのは後付けの価値観ですね。いかに人間の脳が知識・経験によって判断を下しているかがわかる話題です。

ちなみに恒常性(つねに一定と捉える)は大きさ、形、明るさなどにも見られるようです。

 

元ネタは立命館大北岡明佳教授のTWITTERより。

 

 

[引き寄せの方法論02]後付けの価値観による判断

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確信する心の場所

「確信」に至るまでの最初のステップとして、まず「”確信”という心の変化」、つまりあなたの意識について考えてみましょう。 

あなたはTVのグルメ番組を見ています。登場したレポーターが、このような箸の持ち方をしていました。

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出典:http://blog.livedoor.jp/sportsos/

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さて、あなたはどう感じるでしょうか? 育ちが悪い? 親の躾がなっていなかったのかな? 何か他に理由があるのかな? なかには明確な不快感を持つ人もいることでしょう。 

では、なぜ不快なのでしょう。行儀が悪く見えるから? 食べにくそうだから? 子どもも見るTVで教育上良くないから? どんな理由にせよ、正しくない箸の持ち方が不快感の根底にあることでしょう。 

ならば正しい箸の持ち方とはなんでしょう? 箸は紀元前14世紀、殷の時代からあったといわれています。行儀作法ができたのはずっと後のことですし、そもそも起源である中国では箸の持ち方に大きなこだわりはないようです。もちろん箸は道具ですから、効率的な使い方というのはあって然るべきです。しかし現在は、感情の変化まで起こす行儀作法となっているのです。

本来の意志とは別の価値観

さて、ここまでの話でおわかりのように、おかしな箸の使い方を見て不快感を覚えたのは、あなた自身の意識ではありません。あなたの知識と照らし合わせただけです。生きてきたなかで徐々に身につけた社会常識に照らし合わせて異端であり、その異端を見過ごすことが健全な社会構築に不利益であると判断し、最終的に不快感が湧き上がる。ただ不快という感情が浮かぶのに、このような流れを経ているのです。

この後付けの価値観が、エゴと呼ばれるものです。上記の例だけではありません。政治家の不正のニュースを見て怒りを覚える。長年付き合った恋人と別れて落ち込む。気に入っていた服に穴が開いて悲しい。職場に嫌味な上司がいて気分が悪い。お金がなくて心が落ち着かない。これらも全部、後付けの価値観に起因しています。 

政治家の不正が許せないのは選挙のときと言っていることが違うから、自分も払った税金が無駄になるから、政治家は正しくあるべきだから、楽して金儲けするのが妬ましいから。

恋人との別れがつらいのは共に過ごした過去や、今後共に過ごすことを描いた未来、それを自分の一部だと思っているから。

社会常識や過去の経験、未来の予測は、断じてあなた自身の本質ではありません。これらは後付けの価値観と照らし合わせた判断です。

価値観をすべて捨てることはできない

このように後付けの価値観は、あらゆる方面を網羅しています。あなたの意志・判断・感情と思い込んでいることの大半は、後付けの価値観によって生まれているのです。

ではヨロイのようにがっしり身を包んでいる後付けの価値観を全部削ぎ落としてしまえば、そこにあなたの本当の意志があるのか。

それはきっと、その通りです。しかし後付けの価値観をすべて捨て去ることは、まさに悟りの境地。一朝一夕でできるものではありません。家庭、学校の授業、本、テレビ、街の風景、太陽や風、身の回りの人々の言葉。あなたの今までの人生すべてが、後付けの価値観の元になっているのですから。

それらを捨て去ることは現実的ではありません。今すべきことは、後付けの価値観と自分自身の判断を混同しないこと。政治家のニュースで腹が立ったなら、後付けの価値観によって腹が立っていることを理解すること。それが自身の意識を明確にしていく第一歩となります。

つまり怒りが沸き起こる度に「あ、私はいま後付けの価値観の判断によって、怒っているんだな」と、一歩引いて考えることが大切なのです。

少しクドい説明となってしまいましたが、まずはクセになるまでこの作業を繰り返してみてください。

ちなみに箸の話。桑野さんは、トランペット奏者だったお父様と同じ箸の持ち方で「トランペットも箸も引き継いだ」と語っておられますし、乃木坂46若月佑美さんは単純にかわいいので、個人的にはどちらも気になりません。好きに持ったらいいじゃない。

次回も、意識の捉え方の続きです。

[引き寄せの方法論01]確信について

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引き寄せの本質は「確信」

引き寄せの法則はあくまで法則です。「これだ!」と目に見える形でわかるものではありません。願いが現実になりつつある移行期には気づかず、後になって考えたときに「ああそういうことだったのか」と、はじめて腑に落ちることも多いでしょう。

そして、実現へのアプローチに関してもひとつではありません。「◯◯メソッド」のようなものが肌に合っている方もいるかもしれませんし、「常にハッピーな気分でいましょう!」というスタイルがお好みの方も、瞑想で効果を実感できる方もいることでしょう。

つまり、どこか曖昧さが付きまとうのが引き寄せの法則であり、この点が何故か躍起になって引き寄せを否定したがる反対派の論拠となっているようです。

しかしどのアプローチであろうとも、必須とされる考えがあります。それが「確信」です。確実に叶うと理解すること。ここが引き寄せの成功と失敗を分けるポイントでもあります。

突然「確信しろ」と言われても、なかなか難しいことでしょう。どんなに強く思い込もうとしても、どこかに「そんなわけあるかい」の気分が残っている。それは、現代社会に生きる人間として当然の反応です。大丈夫、問題ありません。疑惑を少しずつ切り崩し、「確信」を強化していくこと。それこそが本サイトのテーマなのですから。

少しだけ体験記

今まで書いてきませんでしたし、これからもあまり書くつもりはありませんが、ここで少しだけ自分のことを。

僕は引き寄せの実践の一環として2年ほど前に会社を辞めて自由業になっています。時間や人間関係などの面倒ごとから開放されていますが、さらに収入も大きく上がりました。心惹かれていたアフリカ旅行も経験し、このあたりから引き寄せの法則を実感として信頼できるようになりました。そして昨年、予想外の方向から23区の西の方に庭付き車庫付きの一軒家をもらいました。さらに昔からの夢だった犬を飼いました。

あまりに現実感のない話ですが、わずか3年ほどの間に人生が大きく変わったのです。そして先日、ふと思い立ってこのブログを書き始めました。

さらなる幸運を呼び寄せるための備忘録が半分、自分が驚嘆し感動した事実を少しでも伝えたいという思いが半分。僕は割と俗な人間なので「みんな幸せになって欲しい!」という善意100%では決してありません。しかし僕の経験が何かの役に立って、誰かの幸せに繋がるなら、それはやっぱり嬉しいと思うのです。

確信の元は体験だけ

このように、僕が「確信」に至った理由は、自分で体験したからです。そして皆さんに置かれても、体験のない確信は絶対にありえません。本を何冊読もうと、自身の体験に落とし込まない限り、それはあくまでも知識に過ぎないのです。

繰り返しになりますが、本サイトの最終的な目的は、皆さんの「確信」へのお手伝いをすることです(そして自分の確信をより深めること)。よって、他の本やサイトにあるメソッドや思考法を同時進行で進めることはまったく問題がありません。むしろ、そのメソッドなり思考法を加速するための、「備考」のような役割だと思ってください。

というわけで、いまさらですが本サイトの使い方はこちら。 

  • 自身に合う引き寄せのやり方と同時進行でOK
  • 気になるところ、腑に落ちないところだけを納得するまで読む
  • 自身の体験とするために、流し読みではなく心に落とし込むように読む
  • 今後ときどき登場する「~してください」は、リアルタイムで実践する
  • 確信できるような事実が生活に顕れはじめたらそちらに焦点を移す

とくに5番目。確信のためのお手伝いと前述したように、あくまで主役はあなたの体験です。これからあなたの人生に少しずつ「確信の種」となる事象が顕れます。それが増えはじめたら、もうこのサイトには来ないでください。「このサイトに来る」=「確信をしたい」=「確信してない」となり、むしろあなたの引き寄せを停滞させてしまうかもしれませんから。

 

というわけで今回も中途半端なところで終わってしまいました。

次回は「確信」の方法論について。

急がば回る引き寄せの法則

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外側と内側、2つの宇宙

半径465億光年。それが人間が観測可能な宇宙です。端に行くことはできません。しかし思いを馳せることはできます。宇宙の端はどんなところだろう? 外側はどうなっているのだろう? そこにあるのは無限の可能性です。 

次に視点を反対にして、心のなかを見てみます。半径465億光年の宇宙を思い描くことができるのですから、少なくともそれ以上のサイズがあるわけです。端には手が届きません。しかし思いを馳せることはできます。心の隅、記憶の奥、未来への希望。果てない思考に関しては、こちらも無限の可能性があります。 

宇宙と心。どちらが外側で、どちらが内側なのでしょう。どちらも無限の広がりを持ち、どちらも無限の可能性を持つ。しかし手は届かない。

宇宙の一要素である物質になら手が触れられる、と思うかもしれません。しかし触れていると判断するのは人間の脳です。なら触れているのは外側なのか、内側なのか。

体という膜、あるいは単なる知覚器官を通して、あなたが感じている宇宙。ぐるりと裏返してみても、外と内の区別なんてないのではないか。宇宙は心であり、心は宇宙である。

これがインド哲学ヴェーダーンタに見られる、宇宙と自己が本質的に同一であるとする思想です。量子力学を確立した天才物理学者エルヴィン・シュレーディンガーは生涯この思想に傾倒し、晩年の著作『精神と物質』で次のように語っています。

 

「両者の矛盾は西洋科学の構造に東洋の同一化の教理を同化させることによって解き明かされるだろう。精神は、まさにその特性からして単一のものなのであります。一切の精神は一つだと言うべきでしょう」

 

さあ、準備は整いました。

急がば回る引き寄せの法則。急いでんのにちょっと回りすぎじゃないか、という気もしつつ、ここまでご紹介した知識を元に、いよいよ引き寄せの法則について考えてみましょう。

[外堀から埋める16]外部に発信される脳波

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脳波の可視化に成功した現代科学

ユングが提唱した人類に共通する記憶や意志である「集合的無意識」。一部はカラーバス効果で説明ができますが、どうにもそれだけでは足りない部分がある。なぜこんな偶然が起きるのか。その謎が少しずつ解け始めています。

1999年、岡山理科大学から「脳波の可視化」の研究報告がなされました。これは頭に貼り付けた電極で脳波を読み取り、感情の変化をサーチ。平衡状態のモデル表情に感情に合わせた変化をつけるというもの。外部から、被験者の感情が視覚的を読み取るという研究です。

2008年12月11日の科学雑誌「ニューロン」には、脳からの信号をそのまま映像化する技術の論文が掲載されました。国際電気通信基礎技術研究所(ATR)による研究で、端的にいえば「頭で思い浮かべた映像が、モニターに出力される」というもの。この実験の成功により、寝ているときの夢の映像化も現実味を帯びてきました。

さらに大切な点は、どちらの実験も開頭して脳に電極を刺したわけではなく、外部に電極を貼り付けただけであること。つまり脳から頭蓋骨を越えて外部へ、詳細な情報が伝達されているのです。

非接触の脳波測定が意味すること

非接触で脳波の詳細情報を読み取れることはつまり、たとえ微弱であろうとも、私たちの意識が外部に発信されていることを意味します。もちろん、従来から脳波の状態測定は可能でした。

しかし、それが単なる波長の読み取りではなく、意味のある思考の読み取りとなると話は別です。これはユングの提唱した集合的無意識の伝達手段、あるいはシンクロニシティの伝達媒体の候補となり得るのですから。

そして思い出して頂きたいことがもうひとつ。

宇宙には、138億年前のビッグバンで生まれた光(後に波長が伸びて電波)が、まるでメッセージのように漂い、いまも常に地球に降り注いでいるのでした。それはつまり電磁波は空間、時間を越えて伝わるという証明。

私たちの脳(あるいは心)から発信された電磁波が時間と空間を越えて、誰かに伝わる。どこかに蓄積される。そんなこともまた、不可能な話ではないのです。

テレビが映る理由と、感情が移る理由

テレビの電源をつけると、画面に映像が映ります。なぜでしょうか? 

それは電波を受信しているから。

では電波を受信とはどういうことでしょう?

そこには「共振現象」という作用があります。

水面の端で波を立てると、その波は(重力の影響がない場合)同じ高さで水面に広がります。止まった水が、動く水の波に合わせて同じように動くのです。音叉の実験も有名ですね。AとBの2つの音叉を立て、Aを鳴らすと振動が空気を伝わってBも鳴り始める現象です。ブランコの揺れから共振回路の原理まで、日常には共振が利用される場面は多々あります。電波塔から発信された映像が乗った電波を受け、アンテナのなかの波が同じ振動数になるから、テレビは映像を映すのです。

では、いつも明るくニコニコしている人と会うと、明るい気分になるのはどうでしょう?

それはまた別の話だ、と思う人も多いでしょう。なぜ別物なのですか?

テレビが映るのは電波が共振しているから。では感情が移るがそれと違う原理だとなぜ思うのでしょう?

脳からは常に感情や思考の電波が発信されています。脳神経が電気信号であるならば、脳は受信する装置でもあります。異なる波長の波を受けると、脳波は共振を起こします。つまり明るい人と会って明るい気分になるのも、沈んだ人と一緒に居て浮かない気持ちになるのも、感情が共振しているからなのです。

外からの刺激で、人間の内面が変化する。

内面からの信号で、外部世界が変化する。

これは科学的になんの齟齬もない事実のようです。

 

さあ、次回からはいよいよ引き寄せの法則の話です。