集合的無意識の存在する場所

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はじめに

さて前回のお話で、集合的無意識が存在するということ自体はご納得頂けたかと思います。

人が環境や学習により身につける知識。それとは別に、習うでも学ぶでもなく持って生まれてくる情報のデータベースがあるのです。

ではそんな集合的無意識は、なんのためにあるのでしょう。そして集合的無意識はいったいどこに存在しているのでしょう?

集合的無意識はどこにある?

さっそくまずは、存在場所から考えてみましょう。

あなたの意思や思考といった表面的な意識は、脳の活動です。だから極論をいえば、あなたの表層意識は脳にあるということになります。

そして無意識、潜在意識というのも脳の活動であることには変わりません。たとえばあなたが無意識にしている呼吸は、脳の活動がなければ止まりますよね。

だから潜在意識もまた、脳の活動といえそうです。表層意識の奥にある、見えない活動です。

 

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図にするとこんな感じでしょうか。

 

しかし、物理的にはそうであろうとも、この図だとやはり腑に落ちない部分が出てきます。それは「表層意識を内側に縮小していった先に無意識がある」と思えてしまうこと。

それはですね。

無意識という広大な海があって、そのなかの一部が顕在化したものが表層意識です。だから、イメージはこんな感じ。

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無限に広がる無意識の海原のなか、知識や経験によってなんとか形にすることができた小さな自我、それが表層意識です。

 

そして思い出してください。私たちは基本的には、表層意識から集合的無意識にアクセスすることはできません。日頃から習慣的に集合的無意識にアクセスしているという人は、そういないことでしょう。

しかし、たとえば夢のなかで、未知の情報を得たり、隅に追いやられ意識に上ることもない記憶が呼び覚まされることは誰にでもあるはずです。ときには夢で未来予知までしてしまうことさえあるのですから。これは夢という無意識から、集合的無意識にアクセスしていることを意味しています。

つまり表層意識には接しておらず、無意識には接している。集合的無意識は、無意識のさらに外側にあるといえそうです。

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こんな感じ。

ちょっぴりカラーリングが恣意的ではありますが、ここらで僕が言わんとすることをご想像頂けるかと思います。

物理的には内、意識的には外。

内側であり、外側でもある。

そう、それは宇宙です。

見たことはないけど心で描く。心で描くから存在する。

宇宙の存在そのものです。

宇宙空間を満たす未知の物質

ここで少し宇宙の話。

2017年現在、地球上で知られている元素の数は118個。水も木も鉄も生物も化学物質も、すべてこの元素で構成されています。地球上のすべてを、この元素で説明できるわけです。

しかし宇宙に目を向けてみると、そうもいきません。

「この規模の星ならこの元素があるはずだ」「この新星爆発によりこの元素が観測されるはずだ」

地球上の理論に則ったあらゆる予測は、宇宙ではことごとく当たりません。

いまでは定説となっている「宇宙が膨張し続けている」という論。しかし膨張させるための斥力(押し出す力)がなんなのかさえ、わかっていないのです。

結果、地球上の元素で説明できるのは、宇宙のたった4%といわれています。残り96%は「なんだからわからないもの」ということで「「ダークエネルギー」「ダークマター」と呼ばれています。宇宙はこのダークエネルギーダークマターで満たされているのだと。

 

ここでときどき間違いが生まれます。

「宇宙の96%はダークエネルギーで満たされている」

そう言われると僕たちはつい、暗い夜空を見上げて星を眺めてしまいます。名前に「ダーク」なんてついているものだから、光のない宇宙を思い描いてしまうのです。

しかし先に述べたように、この場合の「ダーク」は「暗い」ではなく「わからない」の意味。そしてもっと忘れがちなのが、この地球上も宇宙であることです。

 

だからダークエネルギーは、当然地球上にもあります。あなたの部屋にも満たされています。トイレにも、引き出しのなかにも、昨日の残りのカレーの鍋のなかにも、そしてあなた自身のなかにも。だってあなただって、宇宙の一部じゃないですか。仮にダークエネルギーの存在に空間が不可欠だとしても、原子の大部分は空洞だったはず。存在する余地はいくらでもありそうです。

小さ過ぎるのか、大き過ぎるのか、光を反射しないのか、はたまた存在次元が異なるのか。

理由はわかりませんが、未だ観測されない、しかし確かに存在が予見されるダークエネルギーダークマター。わからないのですから、この存在に結論を託すことはできません。

しかし、集合的無意識が確実にあり、それが人間の意識の内と外に同時に存在しうる。その前提を考えると、この見えない物質(あるいは概念?)の存在こそが、肝になってくる気がしないでもありません。

 

次回は集合的無意識の存在意義について。

 

 

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