マインドフルネスと瞑想。日常的にストレスから解法される方法

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はじめに

昨日、TV朝日の『たけしの家庭の医学』でマインドフルネスの話をしていましたね。欧米で心をフラットな状態に導くマインドフルネスが話題になっているのだとか。

もちろんマインドフルネス=瞑想ではありません。

禅の思想に基づく瞑想が欧米に伝わり、欧米特有の合理性によって仏教的背景が削ぎ落とされ、心を安定させるひとつのメソッドとして確立された。それがいわゆるマインドフルネスです。つまり瞑想の一部、瞑想のひとつの方法がマインドフルネス。それが今日本で話題になりつつあるのですから、いわば逆輸入ですね。

さて、瞑想が言葉を変え、アプローチを変えて逆輸入されたわけですが、それが今じわじわと日本社会に浸透しています。多くの日本人は欧米文化に憧れがありますからね。これは、皮肉ではありません。本当に良いことだと思います。どんな形であれ、自身の心と向き合うのは人間にとって、ひいては社会全体にとって間違いなくプラスです。

だから「瞑想」という言葉にどこか胡散臭いイメージを持つ人が、「マインドフルネス」というオシャレワードをきっかけに自分の心に興味を持つことは、社会全体にとって利益になると思います。番組でも触れられていましたが、GOOGLEに代表される先進企業にも取り入れられていることも、安心感を後押しするのでしょう。

だから、ライトな瞑想、あるいは宗教的背景を除いたシンプルな“心のストレッチ”というべきマインドフルネスを入口に瞑想を開始してみるのも良いことだと思います。

ちなみに番組内では、マインドフルネスによるストレス軽減がテロメアの減少を抑制し、長生きや老化予防にも効果的であるという話もされていましたね。

というわけで今回は、呼吸法や精神的準備を排除した、マインドフルネスの合理的な考え方に基づく瞑想の入門。瞑想の効能につきましてはまた改めてまとめますので、まず本日は実践の方法について考えてみます。といっても、何も難しい話はありません。

ストレスの原因から解法される瞑想

僕たち人間のストレスというものは、すべて過去と未来に関することです。過去の行動を後悔し、未来への不安を覚える。100%、ひとつの例外もなく、悩みのすべてはこのどちらかに起因します。

「いや現在の不安もある!」と否定したい方もいるでしょう。たとえばあなたが今現在、めちゃくちゃ揺れる飛行機に乗っているとしましょう。ほら不安は現在にある!と思うでしょう? しかしさらに分解してみれば、不安の正体は「このまま墜落してしまうのでは?」「過去にこんなに揺れたことはない!」「墜落したら死んでしまう!」という過去、未来のなかにあります。実際に「怖い」と思う感情だって、厳密な意味での現在のなかにはないのです。

飛行機は大げさな例ですが、「お金がない」「友達がいない」「会社の人間関係が悪い」「体調がすぐれない」といった悩みもまた、すべて過去と未来に思考が飛ぶことで発生しているのです。

で、瞑想とはそれらの「悩み」からひとときでも解法されましょう、ということ。パソコンの調子が悪いときに再起動するように、一度悩みから離れて心を再起動してみましょう。そうすればいろいろうまくいきますよ、という方法です。

ならば答えは単純です。つまり、過去と未来のことを考えなければよいのです。現在のことだけを考えればよいのです。「今を感じる」といわれる、瞑想の基本です。

今を感じる第一の方法

今を感じるのが瞑想。その第一の方法は、現在の体に意識を向けることです。瞑想では「身随観」といわれる、自身の体の動きを感じる感覚ですね。

まずは楽な姿勢になりましょう。座禅のポーズでもよいですし、面倒なら寝る前にベッドに横になる姿勢でも構いません。

続いて、呼吸に集中します。ゆっくり吸って、ゆっくり吐く。意識は鼻の下と上唇の間の三角の部分(下記参照)に向けてください。

[参考]

 f:id:attracted:20170824140915j:plainこの黒い部分。友情出演、うちの犬。

 

鼻の下に意識を向けながら、ゆっくり呼吸。吸うのは鼻から、吐くのは口から。横になっている場合、すぐに寝落ちしてしまってはダメですが、3~4分やれれば十分です。

「吸ってる~(6秒)、吐いてる~(6秒)」で12秒。1分で5セット。これを15~20回くらいやれれば十分なわけですから、そう難しいことではないでしょう。それでもすぐに眠りに落ちてしまう方も、別に悪い効果があるわけではありませんので、とりあえず意識の続く限りやってみてください。大切なのは少しずつでも毎日続けることです。

呼吸以外で現在に意識を向ける方法

さて、寝る前に意識に呼吸を向けるだけ、という簡単きわまりないマインドフルネス入門編。しかし、お酒を飲んだ日とか、異性とベッドで運動した日とか、つい忘れてしまう日もあるでしょう。

でも大丈夫。「身随観」とは「日頃は無意識に行う体の動きに意識を向ける」こと。ならば呼吸に限らず、やれるタイミングはいくらでもあるはず。

たとえば毎日の駅への道。歩きますね。普通ですね。意識してないですね。この「歩く」という行為に意識を向けます。無意識に「歩く」のではなく、意識して右足を出す、次に意識して左足を出す。次は右、次は左。自ら筋肉に指令を出し、足を動かします。いつもは無意識でやっていたことが、実は意外にも複雑な工程を経ていたことが感じられることでしょう。

あるいは、ただ「立つ」という行為。背筋を伸ばし、地面に足を踏ん張り、ふらつかないように体内のジャイロセンサーを調整し、ただ立つ。考えてみてください。先進企業が二足歩行ロボットを開発し、ただ直立させることにどれだけの技術が費やされているか。それをあなたは無意識のうちに行っているのです。だから、その無意識に意識を向けるのです。

歩く、立つという当たり前の行為。そこに人間の複雑な機能が凝縮されています。そこに集中するとで、気づけばあなたは「現在」に意識を向けていることでしょう。

このように、「瞑想」と言うと難しいと感じても、「現在に意識を向ける」といえば実は日常のあらゆる場面にその機会は潜んでいます。だからふとした瞬間に、自分の無意識の動きに目を向ける習慣をつけることは、過去と未来の不安や後悔から解法されることとなります。これを続けることで、やがてあなたに良い効果が次々と表れます。そのへんの話はまた次回。

ただし歩行などに意識を向ける際は、周囲への注意が散漫になります。公園など車の来ない場所で行うようにしてください。

 

 

 

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